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「僕は嘘が苦手だから、

作り話をするよ」といった。

400.jpg

白い部屋の中、
スピーカーはノイズの罹る声でそう言った。

彼の後ろには扉があった。

そこには「進め」と書かれていた。

扉の向こうには、テレビと寝袋がおかれていた。その向こうには次の部屋に続くであろう鍵のかかった扉。
そして手紙が落ちていた。

3つ与えます。

ひとつ、右手のテレビを壊すこと。
ふたつ、左手の人を殺すこと。
みっつ、あなたが死ぬこと。
ひとつめを選べば出口に近付きます、あなたと左手のひとは解放され、その代りに彼らは死にます。
ふたつめを選べま出口に近付きます、その変わりに左の人の道は終わりです。
みっつめを選べば彼らと、左の人は解放され、おめでとう、あなたの道は終わりです。


彼は考えた、どこかの多数の命か、すぐ傍命か、進まなければそれはみっつめになる。
彼は死にたくなかった。
何もわからないまま死にたくない、一つのいのちか多くの命か、そんなものは比べるまでも無いと。
彼は寝袋の脇にあった大振りの鉈を持ち、動かない寝袋にむかって刃を振り下ろした。

ぐちゃ。

ぐちゃ。

ぐちゃ。

顔の見えない匿名性が彼の罪悪感を麻痺させる。
もう一度鉈をふりあげたところでカチャリと鍵が開いた。

二つ目の扉の向こうには、客船の模型、寝袋。そして手紙。その向こうにはつぎの扉。

3つ与えます。
ひとつ、右手の客船を壊すこと。
ふたつ、左手の寝袋を殺すこと。
みっつ、あなたが死ぬこと。
ひとつめを選べば出口に近付きます、あなたと左手のひとは解放され、その代りに彼らは死にます。
ふたつめを選べま出口に近付きます、その変わりに左の人の道は終わりです。
みっつめを選べば彼らと、左の人は解放され、おめでとう、あなたの道は終わりです。


客船はただの模型だった。
さっきのテレビといい、ほんとうならば、こんなもの壊したところで他人が死ぬとは思えなかったが、それ以上に手紙にかかれていることは絶対なんだと彼は思った。

かれは寝袋の脇にあった灯油を寝袋に万遍にかけ、マッチで火をつけた。
2分ぐらいして、カチャリと鍵の開く音がした。
左手の人がどうなったかは、彼は確認できなかった。したくなかった。


三つ目の扉の向こうには、地球儀、寝袋。そして手紙。その向こうにはつぎの扉。

彼は早々に手紙をとった。

3つ与えます。
ひとつ、右手の地球儀を壊すこと。
ふたつ、左手の寝袋を殺すこと。
みっつ、あなたが死ぬこと。
ひとつめを選べば出口に近付きます、あなたと左手のひとは解放され、その代りに彼らは死にます。
ふたつめを選べま出口に近付きます、その変わりに左の人の道は終わりです。
みっつめを選べば彼らと、左の人は解放され、おめでとう、あなたの道は終わりです。

彼の思考や感覚は、もう完全に麻痺していた。
機械的に寝袋の脇にある拳銃を拾い、寝袋にむけて撃ちつける。

パンパンパンパンパンパン

それはコンビニで買い物をするよりも手軽だった。


次の部屋は、なにも無かった。
彼は凄し驚きながらも、ここが出口なのかもしれないと思うと安堵した。
すると再びスピーカーの声が聞こえた。

「最後の問い、3人の人間と、それを除いた全世界の人間、そして君。殺すとしたらだれを選ぶ?」

彼はなにも考えることなくいままで通ってきた『道』を指差した。
声は言う。

「おめでとう。君は矛盾なく道を選ぶことができた。人生とは選択の連続であり、匿名の幸福の裏には匿名の不幸があり、匿名の生のために匿名の死がある。ひとつの命は地球よりも重くない、君はそれを証明した。
しかし、それは決して命の重さを否定するものではない。最後にひとつひとつの命の重さを知ってもらおう。
出口はひらいた。
おめでとう。
おめでとう。」

彼はその声をきいて、安心したような、虚脱したような感じを受けた。
そしてそのままおぼつかない足取りで最後の扉を開けた。


光が降り注ぐ眩しい部屋、目が眩みながらもすすむを、コツン、と足に何かが当たる。
三つの遺影があった。

母と、父と、弟の遺影だった。

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  • #
  • 2010.09.06(Mon)
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>>ぢるさま
→はじめまして!
おおご相談。…そうですねー顔の、半分くらいの長さはみ出るくらいの幅が平均かと思います。
女の子と男の子と子供ではまわ変わってきてしまうかもしれないですが、
平均はこのくらいで…
またわかりづらかったら図説いたしますね^^
  • 朱里#-
  • URL
  • 2010.09.08(Wed)
  • Edit
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  • #
  • 2011.05.04(Wed)
  • Edit



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朱里

Author:朱里


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